【追悼】「世界一貧しい大統領」ホセ・ムヒカの言葉
質素な暮らしぶりから「世界一貧しい大統領」として知られていたホセ・ムカヒ大統領の訃報。ネットでも、新聞でも、そしてテレビでもニュースになっていました。自分の祖国ではない他所の国の大統領の死去ですが、何とも言えない喪失感を今、感じています。
ニュースに取り上げられているムヒカ氏の写真。その顔に刻まれた深いしわと口ひげからは大統領とは思えない愛嬌や親しみを感じます。でも、そんな柔和な風貌に潜む、岩のような厳しい表情。やっぱりこの人はただモノではないな。貫禄というよりはなんだろう、不思議な威圧感を感じます。
大統領は元ゲリラ戦士。
大学を卒業後は家畜の世話や花売りで生計を立てながら、1960年代に社会運動に目覚め、極左武装組織ツパマロスに加入。ゲリラ活動中には6発の銃弾を受け、4度の逮捕を経験。軍事政権下、最後の逮捕では、13年間獄中生活を送ったという。恩赦で出所後、左派政治団体を結成し、1994年に下院選挙で初当選し、2010年大統領に就任。
その後、大統領公邸には住まず、首都郊外の古びた平屋に妻と二人暮らし。古い愛車をみずから運転し、庶民と変わらない生活、気取らない生き方を貫く。そしていつしか尊敬を込めて、「世界で一番貧しい大統領」と呼ばれるようになった……。
日本にもタイにもこんな大統領、政治家はいませんね。清貧なんて言葉が一番似合わない世界の人たちですから。議員の仕事は人と話し、どこへでも足を運ぶこと。そう語ったムカヒ大統領の代表的に言葉がこれです。
「貧乏な人とは、少ししか物を持っていない人ではなく、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」
あぁ、私欲、欲まみれに生きてきたの自分の人生が恥ずかしい。そんな自分への免罪符としてランティアごっこもやってきました。でも人間の本質的な部分が違うんだろうなぁ。
「人生の成功とは、勝つことではなく、転ぶたびに立ち上がり、また進むことだ」
ムヒカ大統領のこの言葉を信じ、大統領にはなれないにしても、人の上に立つ勝者ではなく、人の役に立つ勇者でありたい。そう思いを新たにした大将でした。
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